2014年2月25日火曜日

原型 使い方 ダーツ と、はるなつ展示会のおしらせ

前回、原型のはなしで、

基本的なパターンのかんがえかた


を書きましたので、
続きのようなものを書いてみます。


今回は私がお世話になった文化式原型。
研究熱心なら、作図からすると、
あとで「なるほど」って思うときもあるとか、ないとか。


紙か布に写して、全てのダーツをたたむ条件で
組み立ててみます。
※個人的理由で原型は反転して使っています。
適度なゆとりがはいりつつも、身体に沿う原型です。

布でダーツを見てみる。
この、胸の高さによる布のあまりを操作するのが
ダーツ操作で、

ラッピングみたいな。

トルソーがあったら、試しながらできるけど、
なかったら、


図を実際に切ったり貼ったりすると明解です。


操作したのと、してないのを重ねています。
この上の写真の原型操作で、
ダーツ分を数ヶ所にバランスみつつわけて、
ダーツやギャザーやタックを消します。
なんでもないように見えるモノほど、秘めてるよ。

なんでもないようにみえるから、どうにでもなるよ。



オーダーも挑戦してみてください。


というわけで、

3/15から21日まで、甲府で

展示販売と、

オーダーも承ります。


テーマは

「haru2014」

シンプルで真っ白な、イメージふくらませてもらえるような服と、
イメージふくらんじゃった
BLANC+ メンバー製作の、一点もの服がお待ちしています。



ぜひぜひ、お出かけの予定を!



ではっ。

また、お知らせさせていただきます^^



yumi

2014年2月18日火曜日

基本的なパターンのかんがえかた

なにかをつくる時に、基本としている考え方や進め方って
世の中の渡り方みたいに、人それぞれに、あるんだと思います。

お料理とかも、一番大切にしてることが

だしや、時短や、栄養や、見た目や、
挑戦、だったり。



洋服のパターン(型紙)しかり。

それは料理で言うとダシみたいなもので。

素材とダシに、足したりひいたり、味付けしたり、

素材がいいと、そのままでいい。

ってときも。

(そんなこといって、料理はめったにしませんが。)



基本の基本、

専門学校では、一番初めに原型をつくります。
したの画像の左上みたいなやつです。
以前、この説明に書いたエントリ


この原型は、体の寸法測って、作図します。
作図以外の方法は、立体裁断です。


この、作図する原型というのも、
いろんな、なんとか式があります。

私は、文化服装学院出身なので、

文化式9AR原型をほぼ使います。
このサイズは既成のものが売っています。
私はこれをカスタムしています。



これをベース(基礎線)にして、
どのくらいゆとりいれるか、長くするか、などなど。

定規はつかうけど、
デッサンと同じ。

服の曲線をひくのも、絵がみんな同じように描けないのと同じで、
ひとそれぞれのカーブになっちゃうわけです。
コンピューターならみんな同じにひけるのかな。

そのひとの字や、絵の感じ
そのひとの料理の味

そういうのと一緒で。

縫うのもそうです。
縫われた線が、最終的にその洋服のアウトラインになる。

どんなに、パターンで数ミリのところで操作したって、
最後は縫う人による。
いい、わるい、ではないけど。


全部、一貫して同じ人がしていたら、
すごいことなんですよね。
濃縮還元。


BLANC+ のみんなが、
望んだものが出来るように、

これからすこしづつ、
説明とか、まとめていこうと思います。

今回は、基礎の考え方でした。



デザイン = パターン = 縫製



次回、

「原型、どうやってつかうの?」


で書きます。予告。



P.S
大雪の影響、すごかったですね。

みなさま雪かき、お疲れ様でした。
私も、ひそかに変なところ痛いです。

BLANCのyagicoさんのブログ、長野の雪景色もどこかのリゾートのようですよ。


ではでは。
もう降りませんようにっ!


yumi


2014年2月13日木曜日

Yohji Yamamoto と 10年後のこころ

箪笥にある、思い出の服。
まだ1段分ある。

これでも随分減らしたけど、
これだけは捨てれないやつ。

尊敬してる上司と一緒につくったもの。
500回以上着てる。ってもの。

あと、
自分の生き方のきっかけになったもの。

でも、今日、
なんとなく急にその1着を手放そうと思いました。

Y's

18才くらいのときに買った
Y's のもの。

学生だし、ワイズは高かったです。
でも、無理しました。

これがきっかけで、
服ってなんだろうって思うようになりました。

今まで買ってきた服は
完成されてて、色や形で、好き嫌いで、便利で、まるで、スーパーのお惣菜みたいだったんだって感じ。

「かわいいのつくったよ、買ってね」
て感じ。

でも、ワイズのこの服の未完成感。
この感じ、素材感
フロントは安全ピンが一本ついていて、どうやって着るかは、私次第。

「お好きにどうぞ、楽しんでね。」
って感じ。

好き嫌いでものを買うか、
価値観でものを買うか。

18才に考えさせた服。
それからずっと近くにあった気持ち。

21才になったとき、その気持ちを手紙で社長さんに送りました。
それで、そこで働かせてもらえるようになり、パタンナーになったようです。

あのとき惚れたのは、みえないとこのデザインだった。
生産ラインのデザインだった。

28才、あの服を買って10年後、
ずっとしまってあるし、
この価値は、もはや私の中で骨となっているし、

見えなくなっても大丈夫。

多分ね。
(少しのさみしさ)



丁寧にアイロンして、

写真とって、

打ち合わせ終わったら、後で捨てよう。

と、壁にかけておきました。


打ち合わせに来てくださったのは、
リゾナーレ灯鳥のオーナーさん。

打ち合わせ最後に、

「この服気になるんだよね。」
と。

「捨てようとおもってるんです。自分が成長できるように」 「え?」

「思い出のありすぎる服です」 「捨てるなら、もらうよ」

捨てようと思ったその日に。
きっと巡り合わせ、この服がもつパワーすごい。

オーナーさんは、素敵な人で、
お店に仕入れるものも、
自然や健康と持続可能性のある、
思いやりのあるもの。

箪笥にしまっちゃう私より、
ずっっと、いい人に巡り会えたねー。
服に精霊さんがいそうだ。

今の全てを与えてくれてありがとう。

あ、
また少しコラボレーションします。
3月中旬、商品だせそうです。

今は、ちょっとブランのオーガニックコットン商品も置いています。


雪に気をつけて下さいね。


ではではっ

yumi



2014年2月10日月曜日

カットソー縫製とロックミシンについて

ゆきたくさん降りましたね。

はじめて雪かき、飽きるほどしました。



ところで、

カットソーは縫えますか?Tシャツつくりたい!

と、

ニットを縫うとしたら、ロックミシンは2本針がいいですか?


って、よく聞かれます。

私もつくりたい。



大きくわけると2つ理由があり、
特別な場合を除いて、つくらずにいました。


理由

① 以前勤めていた会社では、布帛パタンナーとカットソーパタンナーが別カテゴリ
(私は布帛のほうです、カットソーもたまに縫っていましたが)

② 持っているミシンだと伸びがあまりよくなくて、既製品と同じような縫い方ができない。
(職業用直線縫いと2本針ロックを所有)


です。



とにかくネックなのは②で

カットソーのいいところは、

「釦とかなくて、さっと着れて、
動きに合わせて伸びてくれるところ」

だとおもいます。


これは縫った部分も布と一緒に伸びてくれないと実現できません。



ミシンの縫い目がのびる必要があります。


家庭用、職業用、ロックミシンでできる縫い目

直線縫い
本縫い・上糸と下糸があり、布表と裏が同じ見た目、返し縫いができる

縁かがり縫い
2枚の布地をあわせて縁をかがれる(1枚でも可)
ほつれ止め
ロック2本針というのは、縁かがり+直線縫いが一気にできるということです。
私は一気にする必要が感じられないので、2本目の針はずっと抜いています。


このどちらも、
既製品のようにのびる縫い目はつくれません。

糸をレジロンにすればのびるとかじゃなく。

実際、レジロンで直線縫いして引っ張ってみると、
既製品縫い目との伸縮率の違いがわかります。

レジロンはシャッペより耐久性がある。くらいの認識です。


直線縫いしないで、ロックだけのほうが伸びます。
が、強度が、売り物にはちょっと。


縫い目など、伸びなくても着れるパターンなのだ。
というときは、レジロン直線縫い+ロックでいいのです。


せっかく布が伸びるのだから、
縫い目も同じように伸びたいのだ。
となると、


二重環縫い
裏が鎖状の縫い目で伸縮性がある。
専用ミシンでできます。
(Googleで中古しらべたら185.000円のがはじめに出てきました。)

扁平縫い
フラットシームともいいます。
3本糸をつかい、伸縮性と強度を実現。
専用ミシンでできます。
肌着などの縫い目です。



どちらのミシンも、おうちには置けませんね。


アトリエに欲しい、かも。
と何度も思いましたが、

ちょっと方針が違ってくるような。

小さな工場としてやってくつもりなのか。みたいな。


Tシャツや下着は、素直に、
設備のある工場さんに発注しよう。


しかし、


今後は、
BLANC+としても、みんなが持っている設備で、
もっと出来ることも増やしたいため、

ロックと直線ミシンで対応可能なカットソーの範囲


探してみます。


はるもの、お楽しみに。


ではでは。

yumi


http://yumiozawa.com

2014年2月5日水曜日

生まれたて Kai's organic products

今日は Kai's organic products の大切なデビューの日でした。

Kai's は カイズ と読みます。


公式FBページより抜粋します↓

富士山の麓に位置する、織物の産地・富士吉田市。その地にある、はたや「前田源商店」は1993年にオーガニックコットンと出会いました。 

環境と人にやさしく安心で安全な方法で栽培されるオーガニックコットン。その普及は、わたしたちの当初からの願いです。

Kai's2014
私はKai'sの 洋服デザインとパターンを担当させていただいております。

去年の5月くらいに前田源商店さんに、このKai'sのデザインとパターンのお仕事の話をいただいてから、夏秋冬とすぎ、やっとお披露目できることとなりました。

デビュー会場は国際展示場で行われているギフトショーです。
国際展示場

ギフトショー

Kai's ブース

今日、2014年2月5日、ここに生まれた、Kai's

実際に、こうしよう、どうしよう、名前は何にしようと、決めたのは去年のこと。


でも、

今日Kai'sとなったオーガニックコットンを前田源商店さんが織りはじめたのは20年以上まえのこと。

さらにオーガニックコットンや織物についてすばらしい知識と技術をもつ、前田源商店さんが織物屋(はたや)さんになったのは、1921年、大正10年のこと。

その起源はずっとずっと続いている。
たくさんの人と、場所と、経験と、一緒に。


そして、これからも。


このすばらしい螺旋に参加できていることを、今また感謝しています。

たくさんの人に愛されますように、喜んでもらえますように!







よろしくおねがいいたします。


yumi